こんにちは、元CAのSatomiです。
皆さんは旅先でワインを楽しむ機会はありますか?
または、これから楽しみたいと思っている方も多いかもしれません。
現代では、世界中の色々な国でワインを生産しています。
もし次の旅行先がワイン生産国だったら、旅行の一つの楽しみ方として現地でワインを楽しまないのはとってももったいないことです!
ワインを何となく敷居高く感じている方でも、ヨーロッパだと水より安いなんて実際にある話ですし、どこの国でもウエスタンスタイルの食事であれば、やっぱりワインの方が食事に合うということも多いと思います。
でも知識がなくて何を飲めば良いのかわからない・自分が好きなワインがわからない、などお悩みはありませんでしょうか。
ほんの少しの知識で自分の飲みたいワインを自分で選ぶことはできます。
今回はそんなワイン初心者の皆さんに、旅行で役立つワインの基礎知識をお伝えしたいと思います。
旅行先でワインを飲むのをオススメする3つの理由

旅行先の風土を味わえる
ワインの原材料はブドウ100%のため、ブドウの出来や特徴によって大きく味が変わります。ブドウは地中深く根を張り巡らせて栄養を得て、それが果実に反映されます。海の近くであれば塩気のあるミネラル感を感じられるなど、地域によって個性が異なります。その地域の個性を味わえるのも旅の醍醐味と言えるでしょう。
地元の食事と合う
ワイナリーは地元の料理と共に発展してきた場合も多く、基本的にその地域の料理の郷土料理とワインは合います。
例えば、スペインのアヒージョにスペイン産発砲性ワインのカヴァを合わせれば、旨味のあるオイルを軽めの泡がさっぱり流してくれます。もう少し細かい地域で言うと、フランス・プロヴァンス地方の郷土料理「ブイヤベース」と同じ地域のロゼワインの組み合わせも有名です。ミネラル感とコクのあるロゼが魚介の濃縮されたスープによく合います。
同郷の食べ物で特に合わせやすいのはチーズです。チーズも同じ風土から作られる農産物なので、同じ地域や近隣諸国のワインと相性が良いことが多いです。
ワインは一期一会
個人的に全く同じワインを再び飲む機会は難しいと思っています。土壌や天候によりブドウの品質が左右されるので、同じ作り手でも収穫する年代が違うだけで別物になってしまうのです。
特に旅行先で現地で飲むものは日本に輸入されていない、輸入されていても数が少ない物も多いと思います。
旅行先で出会った人々と同じで、ワインもそこに行ったからこその巡り合いだと考えると、その一期一会も素敵な旅の思い出の一部になってくれるはずです!
基本のワインの種類

スパークリングワイン:泡のある発砲性のワイン。日本人は一般的にシャンパンといいがちですが、シャンパンはスパークリングワインの一種ですが、フランスのシャンパーニュ地方でつくられた特定の条件を満たした発砲性ワインの名称です。発砲性のワインは一般的に「スパークリングワイン」と呼ぶ方が安心です。
乾杯の1杯目で飲むことが多いです。ワインを飲み慣れている人は食事の最後に〆で飲んだりもします。
白ワイン:白ブドウからつくられるワイン。果肉の果汁のみを発酵してつくるため、スッキリした味わいで酸味を感じやすい。
代表的な合う食事:魚介類、白身の魚、白身のお肉(淡白なチキンなど)
赤ワイン:黒ブドウからつくられるワイン。果皮や種も粉砕して一緒に”醸して”つくるため渋みもある。
代表的な合う食事:赤身のお肉、チーズ
甘口ワイン:糖度の高いワイン。
代表的な合う食事:フォアグラ、ブルーチーズなどのカビ系チーズやデザートなど。
ロゼワイン:黒ブドウからつくられるピンク色の色調をしたワイン。色調に反して辛口、酸味が高いものが多い。白ワインのフレッシュさと赤ワインの渋みを併せ持つので幅広い料理に合う。
オレンジワイン:白ブドウを赤ワインの醸す方法でつくったワイン。白ブドウの果皮の色素が液体にうつるのでオレンジの色調に。フルーツのオレンジは入っていません。笑 特有の渋みや旨みが和食やエスニックなどの料理でも合うことも多い。
一般的なブドウ種類と特徴

ワインリストやワインショップでもよく目にする、基本品種6種類です。
白ワイン
シャルドネ
世界中で栽培され、万人に好まれる国際品種。実はシャルドネ自体の個性はあまりない「ニュートラル」な品種で、特徴がないのが特徴です。風土や作り手の個性を反映させやすい素直な子で、価格帯はデイリーワインから超高級ワインまで様々。冷涼な地域だと柑橘系のスッキリになったり、暖かい地域だとパイナップルやマンゴーの香りのボリューミー系になったり。つくり方によってはハチミツ、バニラ、バターなども感じます。
ソーヴィニヨン・ブラン
スッキリとした味わいで酸味が高く、グレープフルーツやハーブ、野菜っぽい青い香りなど、香りに特徴があります。魚介類や野菜などのさっぱり系の料理がオススメです。
リースリング
甘口から辛口まであります。香りは白い花や洋梨、はちみつ、白桃、リンゴなどの華やか系。酸味が高く、リンゴ酸っぽい酸っぱさが顎のあたりに広がります(伝わるかな..?)また、石油っぽいガソリン香が感じられるのも特徴です。
甘口(辛口もありますが)で華かな香りと酸味のギャップが特徴です。白身の魚やお肉の相性が良いです。
赤ワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン
栽培面積世界一の皆が大好きな黒ブドウ品種。色が濃く、渋みと骨格がしっかりとある典型的な力強いフルボディ(飲み応えのある重厚な)タイプ。ワインをあまり知らない人が思い浮かべる典型的なワインはこの品種のものではないのかという王道のブドウ品種。単一100%はもちろん、他のブドウとのブレンドしても個性を失わず調和するオールラウンダー。香りはカシスなどの黒いベリー系と針葉樹などのハーブっぽさが特徴。原産地でもあるフランスのボルドー地方が有名。
重みがあり渋みが強いので、牛肉やラム肉のステーキや、濃厚な味わいの食事に合います。
メルロー
世界的にカベルネ・ソーヴィニヨンと並んで有名な国際品種。全体的に丸く、柔らかなイメージ。深みのある色合いと、きめ細やかなタンニンが特徴。重すぎず、軽すぎず、程よい飲みごたえと果実味たっぷりで滑らかな口当たりが魅力。多くの要素でミディアム程度の飲みやすいワイン。プラムやプルーンのような黒い果実、土っぽい香りが特徴的。
まろやかな口当たりなので、ビーフシチューなどのお肉のシチューや、まろやかなソースの食事に合います。
ピノ・ノワール
色合いが明るく透明感のあるルビー色で、比較的軽めの味わい。渋みは少なく、酸味が強く繊細な味わいのエレガント系品種。あの有名な「ロマネコンティ」など、世界最高峰のワインを産み出す重要な品種。基本的にはブレンドはしなく単一100%でつくられる。香りは、イチゴやラズベリーなどの赤いベリー系、スミレのようなお花の香り、革のような動物的っぽさや土のような香りなど。他の品種に比べて栽培や醸造が難しく、限定的な条件の環境でしか栽培されていない。フランスのブルゴーニュが有名産地。
マグロのような赤身の魚、鴨や鶏などの肉料理、甘酸っぱいソースの料理、和食などの繊細な味わいの料理にも合います。
ブドウ品種に関しては、「図解 ワイン一年生」という本が初心者にオススメです。
「みんなのアイドル・シャルドネちゃん」や「ツンデレのリースリング」など、ブドウの個性が擬人化していてわかりやすい上に、キャラがみんな可愛い♡
情報も盛りだくさんな上、ところどころイラストや漫画があるので飽きずに読み進められます。まさにこれからワインを勉強したい人にピッタリの1冊。
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マリアージュとは

マリアージュとはフランス語で「結婚」の意味で、ワインと料理の相性のことを言います。
基本的にはワインは食中酒(食事をしながら飲むお酒)なので、一緒に食べる料理によって相乗効果でより魅力が深まります。もちろん逆も然りです。
初心者でも実践しやすいマリアージュ3選
- ワインと料理の色を合わせる:白や黄色の料理には白ワイン、赤や茶系のワインには赤ワインなど色で合わせると上手く行くことが多い。また素材の色でも適用でき、例えば赤身のお魚やお肉には赤ワイン、サーモンにはサーモンピンクのロゼワインを合わせるなど。
- 五味を合わせる:甘味、辛味、酸味、苦味、塩味に同じタイプの風味のワインを合わせる。例えば、デザートワインに甘口のワインを合わせるなど。
- 重さを合わせる:味の濃い料理にはにはボリュームのあるタイプの濃厚なワイン、淡白な味のものには軽めのものなどを合わせれば、どちらかがパワーに負けてしまうことがなくバランスを取りやすくなる。
ワインの飲む順番
ワインの飲む順番に決まりはありません。
好きな順番に飲んでいただいて構わないのですが、基本的には、「軽いものから重いもの、若いものから古いもの(古酒)」の順番が多いです。
- 軽いもの→重いもの:前菜からメインのように、料理も軽いものから重いものの順のことが多いので、ワインもその順の方が合わせやすいからです。また、重いものから軽いものの順だと物足りなく感じるという理由もあります。
- 若いワイン→古いワイン:若いワインはフレッシュでシンプル、熟成するにつれて酸味が落ち着き複雑性を増します。こちらも、複雑性のあるものからシンプルなものを飲むと、物足りなくなる可能性が高いです。
旧世界と新世界
ワインはざっくり旧世界と新世界の2種類に分けられます。
旧世界(オールドワールド)
フランスやイタリア、ドイツ、スペインなど、古くからワイン造りが行われてきたヨーロッパの伝統的な生産国
特徴:伝統的な生産方法や醸造方法を続けておりクラシックなスタイルが多い。EUの厳格なワイン法に基づく格付けにより安定した品質。
アルコール度数は新世界のものより低め。いくつかのブドウ品種をブレンドしているものも多く、複雑な味わいの傾向。
ワインボトルのラベルを読み解くのが難しい時もある。
新世界(ニューワールド)
大航海時代以降にワイン造りを始めた国々で生産されたワインです。アメリカ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、南アフリカなど。
特徴:コストパフォーマンスが高い、果実味が豊かで、アルコール度数が高めのワインが多い 。単一品種(一種類のブドウ)でつくられていることも多く、飲み慣れていない人にも味がわかりやすい。
ワインボトルには品種、生産地などが初心者にもわかやすく記載されていることが多い。

新世界のワインも日々進化をしていて質の良いワインを生み出し続けています。旧世界のワインも、温暖化の影響もあり伝統的な味わいに変化が生まれていますので、一概には言えなくなってきていますが..傾向として参考にしてください。
グラスかワインボトルかでオーダーを迷う場合
ワインボトルは1本750mlなので、レストラン等での標準的な注ぎ量でワイングラス6杯分だと言われています。(1杯125mlと考えた場合)
2人で飲む場合であれば、グラス3杯ずつと考えられますね。
この量を目安に飲めるのであれば、ボトルの方が種類が多く割安になることも多いです。
グラスだと1杯ずつ色々な種類が試せるのと、飲む量を調節できるのがメリットです。
旅行先でワインを楽しむコツ

せっかく旅先に来たのであれば、なるべく訪れた地の地域に根付いていて、風土を感じられるものが良いでしょう。
日本に未入荷のものであればレア感もあり旅に来ている実感がわくと思います。
もしよくわからないのであれば、お店の人にオススメを聞いてみましょう!
こういう会話が現地の人と交流するきっかけになるかもしれません。
【CA豆知識】海外からワインを持ち帰る場合の注意点3つ
お気に入りのワインを見つけて購入してお土産で持ち帰る場合もあると思います。
元CAからのアドバイスとして、持ち帰る際の注意事項3点をお伝えします!
- 手荷物のバッグには絶対に入れずに、必ずスーツケースにあらかじめ入れておく
国際線の機内に「100mlを超える液体物」を手荷物として持ち込むことは出来ないという規定があります。通常のワインボトルは750mlなのでもちろんアウトですね。うっかり手荷物に入っていると手荷物検査の時に泣く泣く破棄することになります。
また、乗り継ぎのある方は、乗り継ぎ先でも手荷物検査があることが多いので、途中の空港の免税店で購入する場合も注意しましょう。 - お酒の免税範囲はワインボトル3本まで
日本に入国する際、お酒の免税範囲は、アルコール度数に関わらず成人1人あたり760mlのボトル3本(合計2,280ml)までです。4本目から徴税の対象となりますので申告して関税を払わなければいけません。関税はワインボトルであれば1本150円ほどです。 - 重さの超過に気をつける
たくさん持って帰りたい気持ちはわかりますが、ほとんどのフルキャリアの航空会社での無料手荷物許容量は、エコノミークラスで〜23kgまで、ビジネスクラスで〜40kgまで程の会社が多いです。
それより超過すると料金がかかります。カウンターで支払いがあったりすると搭乗までに時間がかかる場合もあるので、ワインボトルをたくさん入れる場合は重さの面でも意識しておきましょう。
参考に:ANAでの超過手荷物料金の一覧
国際線の液体物持ち込みルールの基本はこちら↓
まとめ
今回は旅行で役立つワインの基礎知識(一般教養編)をお伝えしました。
次の旅行ではワインを飲んでみようかなと思って頂けましたら嬉しいです。
ワインを通じて、たくさん楽しい思い出を作りましょう!